ふたり(1)
幼い千津子と実加が、婦人と話をしているところから始まる。
父は出張に、実加はピアノ教室へ。
ピョン!
「おまえ、グズのくせにそういうところは素早いんだな」
「考えてみたら初めてじゃない?お父さんとこうやって2人だけで歩くの」
「そうだったかな」
「いつもこんな道を通っているのか?」
「あれからねー」
「ほう、こんな道があったのか」
「ニャーォン、私ネコだからね。いろんな抜け道知っているよ」
「この町は、何年暮らしていても、迷路のようだ」
「実加も早く帰るんだよ」
「実加、って呼んでくれたね」
手を合わす婦人と、ピアノ教室へ向かう実加。
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