ふたり(3)
傘を差して討ち入りに向かう真子と実加。
「万里子はね、今、ここにいないんです」
「事情あって、今、この家には、誰もいないことになっているんです、、、」
「結局、私達、子供なんだね」
氷売りが氷を切っている後ろを走っていく実加と真子。
台本のとあるページを見て驚き、屋上に行ってあらためて覗くと、赤いインクがびっちょり。
夏祭りの準備をしている人たちを横目に、スイカをぶら下げて歩く真子と実加。
「真子、待っててくれてたの」
「うん、あんたがね、落ち込んじゃいないかと思って」
「うれしいね、親友」
雨の中、泣きじゃくる祐子を抱きしめる実加の父。
「どこか遠くへ行きたい。そう願ってたのはお姉ちゃんでした」
「私はね、目を閉じると、いつでも、どこへでも、望むところへ行けるの」
写真展
へ戻る