彼氏彼女の事情 ACT2
翌日 学校で・・・・・
(宮沢)
有馬に 全部バレてしまった―――
頭のキレるヤツのことだ
”あの私”をみて すべてを推察したに違いない・・・・・
学校での私は全部はったり 見栄 見栄 見栄 見栄に生きる見栄の権化
それが私 宮沢雪野の真の姿だと―――
さあ どうする 有馬!!
皆にバラして笑いものにするか!?
軽蔑の視線を投げつけるか!
それとも優等生らしく 愚かな私に同情したりなんかするのか!!
何日たっても有馬は何も言ってこない
誰かに話したようすもなかったし・・・・・
奴は私を見逃してくれたのでは・・・・・
私は安心した
安心しきり 宮沢の顔には笑みがこぼれ・・・・・
(有馬)「顔ゆがんでるぞ
ふふふふふっ びっくりした?
そうだろうなぁ―――
まずいとこ見られちゃったもんな―――
僕もすっかり騙されたよ
清純派の宮沢さんが まさかこういう人だったとは
(宮沢)「・・・・・い・・・・・ いわないで・・・・・ 言わないでください」
(有馬)「うん いいよっ ハイ コレ
僕の代わりにやっといて それ 今日中に んじゃ 僕 部活あるから―――」
(宮沢)
・・・・・? 何 コレ
なぜ私がこれをするのだ?
今や毎日 ありまの仕事責めの日々である・・・・・
それは 突然 やってきた
突然 「特別」に見えた 有馬が特別に見えた
人を好きになったことなんてなかったのよ
まいったなぁ・・・・・
しばらく有馬の仕事をやっていて ある日
(宮沢)「私 こういうのやめる」
(有馬)「は?」
(宮沢)「もうやらない 手伝わないの」
(有馬)「・・・・・でも そうしたら 宮沢が困るだろう――― いろいろと」
(宮沢)「いいよ バラしても」
(有馬)「――― 待った 何怒ってるんだ?」
(宮沢)「怒ってない はなして」
(有馬)「怒ってるだろ 急に怒って
理由があるなら言いなよ わけわかんないじゃんか」
(宮沢)「いいの! はなしてよ はなしてってば!」
有馬の顔を叩く
(宮沢)「もううんざりなのよ! 利用されるのは!」
(宮沢)
ずっと友達みたいに話してたから忘れてた
有馬は私の弱みをつかんで利用してるだけなのよ
ひどいじゃない
私の正体知ったら すっかり態度が変わって 平気で利用するなんて ひどいじゃない
だから終わらせてやるのよ こんなことは!
(宮沢)「どうせ私はヘンな女よ
みえっぱりだし ワガママだし うそつきだし 計算高いし 強欲だし
さぞがっかりさせたでしょうよ
だからって どーして態度がかわるのッ!?
上品ぶってなければそんなに価値のない人間ですかッ
あんたなんかきらいよ さわらないでよッ」
(有馬)「そんなに傷ついたのかい ―――ごめんよ」
(宮沢)「・・・・・ あ あたし そんなにへん?
優等生でなきゃ何の価値もないの」
(有馬)「そんなことはない 宮沢のありのままのとこ 楽しくて好きだよ
もともと誰にもバラすつもりはなかったんだ
本気で利用したかったんじゃなくて
・・・・・口実が欲しかったんだ 宮沢と話すために
きっと楽しいだろうと思ったんだ
楽しかったんだ 僕は
今まで誰ともこんな風に話したことがなかったから
ごめよ もう『手伝え』なんていわないから」
(宮沢)
そうか・・・・・
私のこと 「どうでもいい」っていうわけじゃなかったのか・・・・・
よかった・・・・・
その日から 私と有馬は 同じ秘密を共有する仲間となった
私がキレたのは 自分がこき使ったせいだと思ってるんだよな
ま いいけどね
とりあえず私は 有馬にとって 別格の存在だとゆーことがわかったわけだし
―――恋じゃなくてもさ
(宮沢)「でも さすがの私もはめられたよ
有馬くんまでこーいうヒトだとは思わなかった」
(有馬)「――― そうだね」
(有馬)
――― そうだね
自分でも驚いているんだよ
君は信じないかもしれないけど・・・・・
ほんとに こんな自分がいたなんて 知らなかったんだ 君に会うまでは
なぜこんなに気になるんだろう
なぜつられてしまうのか
どんどん君に引き込まれて・・・・
やがて違う僕になる