彼氏彼女の事情 ACT12

(宮沢)
私っていまいち 女子にとけこんでないよな
話なら 誰とでもするけど
深くつきあう人って とくにいない
優等生のフリ しなくなって ずいぶんたつけど
いまだに みんなの扱いは 「お客さん」のままだ
でも ま それは仕方ない
いままで自分が それで通してきたんだから
急に「ふつうに」なられても まわりだって受け入れられない

宮沢と有馬と浅葉の話題で盛りあがる女子
  「・・・・・あ あの三人て 仲いいね!」
  「うん いつも三人でいるよね」
  「やっぱ つきあってるってなると違うよね
   いままでのありまくん 親切だけど 特別女子と親しくするってなかったし
   あさば君も 一人と特別仲よくしたりすることなかったのにね
   ・・・・・・・・・・」
  「ありま君とあさば君 仲いいよねー
   並んでるとこ 絵になるよね」
  「りりしい美形と ふしだらな美形 ですな」
  「宮沢さん いいよね あの二人と仲よくて」
  「そりゃ あれだけ完璧そろってりゃねー」
  「あたしだって 二人と仲よくできそうよ」
  「美人だし 優しいし 頭いいの 鼻にかけないし
   なんでも親切に 教えてくれるしね」
  「世の中には あーゆーできた人も いるもんなんだね」

(真秀)「そーかなぁ
 宮沢ってほんとに みんなが言うほど いいやつかな
 みんなだまされてんじゃない」
(クラスメート)「ええ!? なに言ってんのォ 真秀」
(真秀)「あたし まえからあの子 うさんくさいと思ってたんだよね
 やたらやることに ソツがないんだもん
 外ヅラいいだけなんじゃないの?
(クラスメート)「え――― そーかなぁ」
(真秀)「だって あの子 最近態度 かわったじゃん
 本性でてきたんじゃないの」
(クラスメート)「・・・・・ええー そお―――?
 でもさ 確かに最近 宮沢さん 前と違うと思わない?」
(クラスメート)「あっ きいちゃんも そー思った!?」
(クラスメート)「実は私も そー思ってた」
(クラスメート)「うそっ 私も!」
(クラスメート)「私も―――」
(クラスメート)「えっ じゃ 何 みんなそ―――思ってたの!?」
(真秀)「いるんだよねー そーいう女
 善人づらして まわりとりこんで 世の中うまく渡る奴
 そーいうのに限って 男つかまえるのうまいんだよ
 男子ってあーいうタイプ 弱いから
 ”有馬”と”浅葉”を 落とすあたり よく選んでるなってかんじするよね」
(クラスメート)「―――――もし それが本当だったら 私は納得いかない」
(クラスメート)「うん ありま君 あさば君を 好きだって娘だって たくさんいたのに
 それ 本当なら 許せないよ」
(クラスメート)「そーだよね 私のまわりにも 告白して ダメだった娘 けっこーいるよ」
(クラスメート)「そーいう娘たち かわいそう」
(クラスメート)「あれだけの人だからって私たちも あきらめることができたのに
 だましてたなんて ひどいよ」
(クラスメート)「それだったらまだ 他の娘にとられるほうがましだよね」

クラス女子からの 宮沢への無視が始まる
(宮沢)
どうしてこうなったか 見当はつく
ありま あさばと 仲よくしてるし
優等生のフリ やめたから
この結果をまねいたのは 自分自身だ
いままでさんざん 人の目をだましつづけてきた結果がこれなんだ
嫌われても 無理はない
友だちなんて 欲しいとも思わずに
だまして ほめさせて いい気になっていたツケが いままわってきている

いつまでも クヨクヨしていても はじまらない
起こってしまったことを くやんでも戻れない
だから 態度くらいは堂々と

これは 「ほんとうの私」の ほんとうの始まりなんだから

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