彼氏彼女の事情 ACT19

(つばさ)
どうして急に 再婚なんていうの
洗濯もそうじも 料理だってやってた
私ひとりだって なんだってできた
どうして急に ”家族”なんていうの
私じゃ パパのささえにならないの

(つばさ)「私 帰るわ
 わがまま言ってたの 悪かったし
 これ以上ねばったところで どうにかなるものでもないもんね」
(雪野)「そんな・・・ 本当にいいの?」
(つばさ)「うん あの甘いパパが 今度だけは折れなかった
 だから 私はもう あきらめるしかないのよ」

家に帰ったつばさ
(つばさのパパ)「つばさ! よかった 帰ってきてくれて
 ごめん パパもっと つばさのこと 考えてやるべきだったっ――」
(つばさ)「いいの ちょっとワガママ言いたかっただけ もう平気だから
 これからはパパの好きなようにして」
(つばさのパパ)「・・・・・あ ありがとう・・・」

(つばさ)
もう いいや
期待しても叶わないなら はじめからもうなにもいらない
もう どうだっていい
どうだっていいんだ

その後一度 つばさ親子と 再婚相手とその息子・一馬 の四人で食事をする
しかし つばさと同い年の一馬は つばさがあまりにも幼く見えて
中学生 はたは小学生と勘違いし つばさの逆鱗に触れる

その後 偶然会い・・・
(一馬)「―――良かった また会えて
 このまえ すごいきまずい別れかた しちゃっただろ?
 ――ずっと謝りたいと思ってたんだ
 ずっと キョウダイが欲しいと思ってたからな―― つい変な思いちがいを」
(つばさ)「キョウダイが欲しいの?」
(一馬)「うん つくってくれっていって できるわけでもないから
 親には言ったことないけど――
 なんでかな かまったり かまわれたりする関係って 憧れで
 そしたら すんごい小さい かわいい子がいるじゃない
 これは――って思っちゃったんだよ 本っ当に 失礼しました
 ま そーいうことで オレが個人的に謝りたかっただけで
 べつにウチのかーさんをよろしくっとかいう 下心でってわけじゃないから
 縁があったら またな じゃっ」
帰ろうとする一馬の背中をつかむ つばさ
(つばさ)「―――もっと 話がしたいわ 話せないの?」

一馬の家に行って しばらくくつろぐ二人
(一馬)「・・・・・・・・・・君といると 落ちつくな どーしてだろう 会ったばかりなのに」
(つばさ)「・・・・・それは だってそれは あたりまえのことなのよ
 私達は同じ日々を過ごしてきたんだもん」

(つばさ)
ドアを開けても誰もいない
その寂しさを知ってる
言葉にしなくても分かる
私たちは同じだから

(一馬)「・・・・・・・・・・ そっか・・・
 じゃ オレたちはもう キョウダイみたいなものだな」
(つばさ)「うん キョウダイみたいなものだ」

(つばさ)
はじめてパパが言ったことの意味が分かった
わかり合えるひとが そばにいる
そんなひとが 家で待ってくれているなんて
なんて心が安らぐだろう

本当はパパさえいれば それでいいなんてウソ
今わかったの
本当はひとりはさびしかった
さびしかったよ おとうさん

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