彼氏彼女の事情 ACT36
(十波)「あっ ありまく・・・」
またもや 通りすぎさられる
(十波)
・・・・・が がんばれ オレ
どうしてそんなに宮沢が「特別」なの?
オレには ごくふつうの女にしか思えないのに
きっと 宮沢でなければならない理由が
有馬くんにはあるんだ
ボクには佐倉以外 あり得なかったように
佐倉の教室
(十波)「佐倉いる?」
「さぁ さっきから見ないけど」
佐倉をさがす
一度見つけるが 友達と一緒にいるので いまはやめた
時間がたちふたたび 佐倉をさがしまわる
図書室で眠っている椿を見つけて・・・
(十波)「いたっ おいっ」
ぺしっとたたく
(椿)「わひ!?」
(十波)「おまえな〜〜〜 ウロウロすんなよー
なんでオレがおまえに会うのに こんなに苦労しなきゃならないんだっ」
(椿)「いやあ〜 なんかクセで・・・」
(十波)「それにしたってなんだってそー マイペースなんだ
おまえ オレに会いに来るという発想ないだろ」
(椿)「ちっ いやだねー男は ちょっとつき合うと すぐ自分のモノみたいなこと言いだすよ」
(十波)「ひっ 人聞きの悪いことゆーな オレはそんなにワガママ言ってねーよ
おまえにふつーのジョーシキがねえからじゃねぇか!」
(椿)「・・・・・・・・・・ 好きならそれでいーじゃないか
それにいちいち縛られるの 私は いやだ
おまえは そういうの分かると思ったのに
分かんないならいいや」
(十波)
何だ それ
文化祭の準備で 生徒会が残って仕事をしている
強い台風がやってきてるので 先生が来て 帰される
有馬は 宮沢を送っていく
宮沢の家族はみんな有馬が好きで なんだかんだ言って有馬を泊めさせてしまう
(有馬)
この家の気配のすみずみに
ずっと昔からの宮沢がいるんだ
有馬の両親と宮沢の両親は 一度学校に呼び出されて 会ったことがある
有馬は 宮沢のお父さんと一緒の部屋で寝ることになる
(宮沢の父)「・・・・・ 有馬くんさ」
(有馬)「はい」
(宮沢の父)「たちいったことを聞くけど あの人たちは 君の本当のご両親?」
(有馬)「・・・・・・・・・・ ・・・・・いえ 違います」
(宮沢の父)「そっか やっぱり」
(有馬)「何か・・・・・ 分かりますか?」
(宮沢の父)「そりゃね 俺も両親いなかったもの
君は幸せをつかめるよ
だって宮沢がついてるんだから 君はいくらでも 幸せになれる
(有馬)
ああ なんだか この家にいると
温かいお湯の中にいるみたい
家中に宮沢の気配があるから
あいつもここへは入ってこれない
宮沢がいる限り あいつに心は奪われない
外はひどい嵐なのに その日僕は 久しぶりに夢も見ないで深く寝た