彼氏彼女の事情 ACT54

(つばさ)
一馬ちゃんのばか
わたしより 「音楽」をとったんだ!

一馬ちゃん 一馬ちゃん

私のこと忘れちゃうの
わたし だめな子なのかなぁ
パパも 有馬くんも 一馬ちゃんも わたしを選んでくれない
――また 他の人を探すのかな・・・
選んでもらうまで

ううん 私 一馬ちゃんがいい
一馬ちゃんじゃなきゃだめだよう

(一馬)
その夜は ひどく 胸が軋んだ
きっと つばさを傷つけた
でも言えない 好きだとは

つばさは つぼみを固く閉じて 大人になろうとしない
二度も自分を傷つけた「愛情」を信用してない

つばさがぼくを選んだのは 「きょうだい」だから
「きょうだい」の安定した関係の中に やっと安らげる場所をみつけたんだ
ぼくの想いは つばさを追いつめる
それだけはだめだ
そしたら この想いを切ろう
「きょうだい」に戻ろう そのほうが そのほうが

何気なく歩いてる街
街のオーラが 音となって聞こえてくる
「音楽」に 包みこまれた なぐさめてくれるんだ
―――ありがとう
立ち止まり 泣き崩れる

(敦矢)「オラ―― 一馬ちこくだぞ―― 一馬!?」
(一馬)「歌 歌できた 聞いて欲しいんだけど」

(一馬)
この日を境に ぼくの人生は動き出した

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