第三節 究意涅槃
究意には大きく分けて、動詞での使い方と所有格での使い方がある。意味は、無上の、究極の、それと、極め尽くす、到着するとがある。
涅槃とは、煩悩の火を消して迷いの世界を越え、智慧を体得したさとりの境地をいう。
金岡秀友氏の『般若心経』から引用すると、この箇所が「涅槃を究意する」と読むべきか、「究意の涅槃に入る」とすべきかについては説の分かれるところであった。原典のサンスクリット語では「二シタ・二ルヴァーナ」(究意涅槃)となっていて、「究意」は動詞には読まれていない。しかし漢訳では、本来形容詞のこのことばを、「究意、窮、尽、至、極」等、動詞としても読んで来ているから、ここはどちらに読んでもよいと思う、とあるので、わたしは原典に沿って「究極の涅槃」と解釈する。
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