第四節 三世諸仏

三世とは過去、現在、未来のことである。単純に過去の仏、現在の仏、未来の仏の三人というわけではない。

仏には今も昔も先も無いのである。しかし仏であっても永遠ではなく、いずれは仏でなくなるときがくる。一切は空だからである。仏が仏でなくなるときがいつであるかは分からないが、必ずやってくる。そして、お釈迦さまの次に仏になる人と時が設定されている。それは弥勒菩薩で、五六憶七千万年後にお釈迦さまと同じようにこの世に出現し、そして仏になるとされている。

仏はこの迷いの世界から解脱したのだから、時間や空間といったものも意味をなさなくなる。時間や空間だって「こだわり」の一つである。仏には過去も、現在も、未来も無いのである。

ではなぜ「三世諸仏」というのか。三世といっても、仏となったお釈迦さま自体には過去、現在、未来と区別をしていないのである。ただ、お釈迦さまの次に仏になる人が弥勒菩薩とされていて、そしてお釈迦さまの以前にも仏になった人がいたのかもしれないと考えたとき、わたしたちからみて時間的違いをとらえるのである。お釈迦さま、お釈迦さまの前からいた仏たち、お釈迦さまのあとの仏たち、これが三世諸仏である。

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